日本古来のパワーフードで、冬こそ代謝を上げる食生活を

栄養タイプ-休養学

寒いこの季節、運動不足や身体を温かくするために、効率的に身体の代謝を上げたいですよね。一般的には「筋肉量を増やす」「体温を上げる」「血流をよくする」ことがポイントなどと言われていますが、大事なのは、心と体が本当に欲する食べ物をしっかり食べること。中でもリカバリー視点のイチオシは、日本人なら誰でもなじみのあるあの献立です。

リカバリーに通ずる食事は、和食にあり

リカバリーな食生活を始めたい! でも、何を食べたらいいの? そんなふうに迷ったら、まず試してほしいのが「ごはん」をしっかりと食べる習慣です。胃腸を休める断食や、目新しい食材を試してみたくなったり、「ビタミンをたっぷりとろう」と野菜中心の食生活を心がけたり......。健康に対する感度が高い人ほど横に置きがちなのが、私たちの主食である「ごはん」の効用です。

人が活動するために必要とするメインのエネルギー源は炭水化物。ごはんはこの炭水化物を摂取するのに一番効率的な食材なのです。同じく炭水化物であるパンやパスタに比べてエネルギーの持続力があるので、脳や内臓、筋肉と、体の隅々までエネルギーを安定供給してくれます。特に、脳はエネルギーをとても消費する臓器。ごはんをほとんど食べない人は慢性的に脳がエネルギー不足におちいってしまいます。

「ごはんは太りやすい」というのも誤解です。よくかんでゆっくり食べることで、糖の吸収が緩やかに。何より、体が「しっかりとエネルギーを補給できている」と安心するので、余計なものまで手が伸びないようになり、食べ過ぎを防げます。臓器にエネルギーが行き届くと臓器が働きやすくなるため、機能が上がり代謝がアップするというわけです。

おすすめは最近ブームの雑穀入りごはん。

大事なのは「おいしい」と味わうこと。日本人にとって「幸せを感じられる食事」の代表と言えば、やはりホカホカの白いごはんではないでしょうか。白米だけでもいいですし、さらに「よくかむ」ことを促進するためのひと工夫として"雑穀"を混ぜると、歯ごたえがプラスされます。ビタミンやミネラル、抗酸化成分も摂取できて一石二鳥! 雑穀を選ぶときは、粒が欠けたり割れたりしていないものを選びましょう。また、粒が水に浮くものは鮮度が落ちている可能性があります。鮮度がおいしさと健康効果の決め手です。
栄養バランスを補うために、ごはんとセットで積極的に食べたいのが「おみそ汁」です。雑穀ごはんは、炭水化物、ビタミン、ミネラル、食物繊維が摂取できます。あまり知られていませんが、たんぱく質も摂れる優秀食材なのです。さらに、おみそ汁の材料となる「味噌」に含まれる大豆由来のたんぱく質と一緒に摂ると、ごはん由来のたんぱく質はぐっとパワーアップし、体内での利用効率が高まります。

日本古来のパワーフード、おみそ汁を飲みましょう

ご飯と同じぐらいおすすめなのが、日本古来のパワーフード、おみそ汁です。
その理由は、何といっても内臓を温めてくれること。実は味噌をはじめとする発酵食品には体を温めるものが多く、特に、物理的に温かいおみそ汁は温熱効果が高いのです。もちろん栄養も豊富ですから、冬の冷えだけでなく夏バテの防止になります。

おみそ汁の具はできれば3種類ほど入れて具だくさんに。色の濃い野菜、海藻、キノコ類、卵など、冷蔵庫にあるもので日替わりでアレンジしてみましょう。おかずは少し控えめにして、雑穀ごはんと具だくさんのおみそ汁を、ゆっくりかんで味わって食べる。それだけで心と体が満足し、一週間ほど続けると体が元気になり、体の調子もよくなっていくのが実感できると思いますよ。

たくさん作って2食目、3食目は"味変"で。賢くおいしく手抜きする

おみそ汁の具材はお好きなものでOKです。でももし迷ったら、季節の野菜を選びましょう。ナス、トマト、オクラなど。おいしい野菜がスーパーや八百屋さんに並ぶ時季ですよね。野菜の中には体を冷やすものも多いですが、おみそ汁の具材として食べると体を冷やしにくくなります。

毎食作るのが面倒と感じるときは、2、3食まとめて作っておけばラクチンです。最初はそのまま温かいおみそ汁としていただきます。夏場はとても傷みやすいので、余った分は鍋ごと冷蔵庫へ。2食目はキュウリ、トマト、しそ、みょうがなど、生で食べられる野菜を追加してサラダ風。3食目は食べるラー油や柚子胡椒などスパイスでと、"味変することで飽きずにおいしく食べられます。

食事とお風呂の合わせ技でさらに内臓をポカポカに

最後にオマケ。内臓をしっかり温めるという点では、食事にプラス、お風呂に入りましょう。38?39度くらいのお湯に浸かって体温をゆっくりあげると、身体に優しいリカバリーが出来るかも。近頃ではコンビニでも、自販機でも「常温」のミネラルウォーターが用意されているところが増えてきました。「のどが渇いたな」そんなときは、迷わず常温か温かいものを。日常から意識して、冬を元気に乗り切りましょう。

取材・執筆:オフラボSTAFF

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