【サポートチームインタビュー】筑波大学駅伝部Vol.2_将来を育む自律したトレーニングへのアプローチ

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RLスタッフ:前回は、学業と箱根駅伝を目指すことの大変さをお聞きしましたが、その中で皆さんの体調管理で工夫されていることはありますか。

福谷さん:体調管理に関しては、そこまで意識して何かをやっていることはないのですが、昼食は自炊していることや、毎日お風呂に入る(湯船につかる)、あとはストレッチをすること。毎日やることなので、気を付けているというよりは、お昼に変なものを食べないようにする、シャワーだけでは済まさないようにする、ストレッチをしない日を作らないなど、なんだかんだ毎日やることが、ケガをしなかったり、病気をしないようにするためにと思って行っています。

國井さん:体調管理の仕方は、意識的によく寝ることかなと思っています。(先ほど福谷くんも言っていましたが)他の学類と比べて(4年生は卒論などがありますが)授業が忙しくなかったりするので、夜の22時に寝るようにはしています。また、朝練が終わると仮眠(昼寝)をとるようにしています。昼寝をしないと日中体がだるくて動かなくなるので、(そういう身体になってしまったので)卒業後をちょっと心配していたりします(笑)

國井さん:睡眠をうまく使いながら体調管理ができるのかなと思っていますが、それのおかげかケガもなくなっていますし、睡眠時間が多いとパフォーマンスが良いというエビデンスもありますし、寝ることを僕は特に大事にしています。みんな合宿中など同じ環境にいるので、みんな昼寝は意識的にやっていると思います。僕もその一人ではあります。

RLスタッフ:睡眠が実感値として得ているのは良いことですね。

國井さん:うちのチームの特徴としては、学生で毎日ミーティングをしているのですが、例えば明日の練習の設定について話し合ったり、トレーナーさんが来てくれる時の治療時間を決めたり、コーチからトップダウンで「●●しろ!」などの指示されることがありません。学生で話し合って、練習メニューをいただくことはありますが、それの設定やこれくらいの疲労度でこの練習でいいのかなどでメニューが変わることもありますし、コーチ陣の理解もあってこそだとは思います。

RLスタッフ:それは弘山監督の方針なのか、筑波大学の伝統的なやり方のですか?

國井さん:どうですかね?そこは他の世代のことはわからないのですが、弘山さんが教えている世代については、このような形で話し合って、コーチと学生が決めていくスタイルで、これは他の私立にはない筑波大学の大きな特徴かなと思っています。

RLスタッフ:これは、社会人になっても非常に役に立つ経験かなと思いますね。そこまで見据えてご指導されているのかなと思います。そうしましたら、みなさんが一番忙しいのではないかという皆川さんはいかがでしょうか?

皆川さん:体育以外の学類の人もいるので、自分が勉強で忙しくても他の人も忙しいので、忙しいことを理由に部活の手を抜くというのはないですね。ほかの人も頑張っているので、自分も頑張ろうという気持ちになりますし、それは本当に筑波大学駅伝部のらしさかなということ、勉強を言い訳にしたくないので、体育(学類)の人には負けられないぞという気持ちにもなります。体調管理としては、自分は結構お風呂に入るのが好きなので、欠かさないようにしています。

RLスタッフ:勉強を理由にしないというのがみなさんは逆だからとてもすごいですね。

夏季合宿を含め、この一年で皆さんが成長したなと思うポイント、パフォーマンスを中心にメンタル面や生活面などでもいいので教えて下さい。

福谷さん:「当たり前」のレベルが上がったイメージです。それは、毎日練習量であったり、できる練習の質だったり。毎年ほとんど同じサイクルで試合の時期は決まっているので、試合に向かっていく練習の仕方など、大まかな流れはそこまで変わらない中で、毎年ある程度は比較できるのですが、その中でも大事な試合の前の練習量を確保できていたり、その練習自体に関しても昨年よりもいい状態でできているから、今年に関しては去年より、試合の結果も含めて良くなっていると感じます。

RLスタッフ:ベースが上がったということですね。

國井さん:自分は今年で4年目になるのですが、だいぶ順調にできていて。というのも1・2年生の時はケガが続いていまして、思うように大学の高いレベルの練習についていけなかったり、ケガが原因で大事な試合にでることができなかったり、ということがあったのですが、去年から練習を継続することができていて、今年の冬からいままで大きなケガをすることがなく、練習をすることができ、結果、関東インカレに出場することができました。このまま順調にいって箱根駅伝も登録できれば、4年目として集大成で終えられるのではないかと感じております。

RLスタッフ:やはりケガをしないで継続できるということは大きな要素ですよね。皆川さんはどうですか?

皆川さん:今年の春にケガをして、そこから自分に合った練習を少しずつ考えるようになってきて、夏合宿では1・2年生の冬に身体がまだできていない中で走りこんだり、自分の身体をうまく考えられていなかったのですが、この夏の期間は自分のキャパを考えて練習するようになり、この期間はうまく練習をつなげるようにできたと思っています。

RLスタッフ:3年生のタイミングでわかったということが、良い気付きになったということですね。

皆川さん:そうですね、ケガが自分にとってはとてもプラスに働いたと思っています。

RLスタッフ:プロスポーツチームのフィジカルトレーナーさんも、レールに乗ったものをやっているのではなくて、取捨選択して、自分に合ったものを選択できる方が、ケガもせずに伸びていかれるとおっしゃっていたので、非常にそのあたりはみなさんしっかりとしたコントロールができているのかなと思いました。

Profile

【筑波大学 陸上競技部 男子駅伝チーム】

筑波大学は1920年に開催された箱根駅伝第1回大会で優勝し、これまで全61回の出場経験を持つ強豪校です。2020年開催の第96回大会では26年ぶりの出場を果たしました。筑波大学の「#箱根駅伝復活プロジェクト」では、高い競技能力と倫理観、スポーツ愛好精神に加え、高い教養と知的探究心をもって自身の能力開発を進め、将来的にはその経験を活かして社会に貢献できるよう成長することを目指しています。
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