【専門家インタビュー】日本ラグビーフットボール協会co-CEO 池口氏Vol.2「JAPAN BASEを通じて、正しい休養の取り方、休養が大切だという認識を広めたい」

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ベネクスは20238月より、日本ラグビーフットボール協会運営の JAPAN BASE福岡のオフィシャルパートナー契約締結し、リカバリーウェア・サービスの提供で選手のコンディショニングサポートをしております。今回は、日本ラグビーフットボール協会 co-CEO 共同最高事業統括責任者の池口徳也様に、長期ビジョン「JAPAN RUGBY 2050」について、そしてビジョンの中での「JAPAN BASE」の役割をお伺いしました。

前回までの記事はこちら→【専門家インタビュー】日本ラグビーフットボール協会co-CEO 池口氏Vol.1「長期ビジョンJAPAN RUGBY 2050実現のため、待望の施設JAPAN BASEの役割とは」

ベネクス星:ラグビーという競技ならではの、コンディショニングの課題などはあるのですか。

池口氏:ラグビーはワールドカップでも、基本は1週間に1回しか試合できないんです。試合の翌日にアクティブレストを行い、2日間空けてトレーニング再開してパフォーマンス向上を繰り返しています。なので、効率的なリカバリーをすることで、ベストな状態を維持するコンディショニングは大切なテーマになります。またコンタクトスポーツの場合、コンディションを整えていくというのは、身体的なコンディションだけではなく、メンタルの部分も大切で、両方をどのようなバランスを取っていくかが重要です。

ベネクス星:ぶつかり合うスポーツですので、身体の状態だけでなく、戦うためのメンタル維持は必要ですよね。

池口氏:そういう意味もありますので、研究に裏付けをされているベネクスのリカバリーウェアは本当に心強いなと思いますし、休養学などを選手に提供して、リカバリーの知識を身に着けることで、新しいアクションが生まれる気がしています。

ベネクス星:休養目的でなくて、休養をすることでパフォーマンスをしっかり出してもらう。本当にお互いスクラムを組んでやっていきたいですね。

池口氏:面白い話がありまして、日本代表が2015年のワールドカップで、南アフリカに勝つなど大躍進しました。「ブライトンの奇跡」と言われている最高のパフォーマンスを出したのですが、予選は突破できなかったんです。

ベネクス星:当時はびっくりして、盛り上がりましたよね。惜しかった。

池口氏:実は、試合間隔というのも大きな影響がありまして。その時、日本代表の試合間隔は中5日だったのですが、相手チームは中7日など、不利な試合日程だったんですね。やはり、リカバリーをしきれなかったのだと思います。

ベネクス星:完全にアウェイな環境ですね。

池口氏:そして、2019年の日本大会は我々がホスト国ですので、試合スケジュールをきちんとした形で調整しましたので、ベスト8という結果が出ました。やはり、1週間の中でのリカバリー戦略、もっと言うと試合終了1秒後から、どのようなリカバリーをしていくのかまで、突き詰めていかなくてはいけません。

ベネクス星:世界一を目指すには、他国とも違うアプローチも必要になりますね。上手く休養を取って、リカバリーすることが当たり前になって欲しいですね。

池口氏:はい、JAPANベースを通して、トップアスリートにとどまらず、成長段階の子供たちにも、運動の仕方だけではなく、休養の取り方、正しい栄養の取り方を、届けたいですね。

ベネクス星:ジュニア世代から知識を学び、しっかりとした環境を用意してあげたいですよね。

池口氏:ラグビーはコンタクトスポーツですので、非常に負荷が高く怪我もしやすいです。それは選手生命そのものにも大きく影響してしまう。中学生、高校生からトップアスリートなる可能性もある子供たちに、休養の取り方を広めたいですし、選手だけではなく親御さんも含めて、休養が大切だという認識が広がると良いですね。

ベネクス星:まだまだ根性論でスポーツに向き合うこともありますね。

池口氏:本当は、親がトレーニングのし過ぎを止めなくちゃいけないのですが、現状は中々そのようにはなっていませんので、結果を求めてやらせてしまって、怪我して、選手生命が短くなるなどを、多く見ています。休養がケガの予防になることは、是非伝えていきたいです。

ベネクス星:そんなことができると嬉しいなと思いますね。ベネクスでは攻めの休養という言葉を掲げてやってるんです。能動的に休養をとること、アクションすることでリカバリーする、と。

池口氏:JAPAN BASEでもリカバリーウェアを導入いただきましたので、トレーニング後に食事をとって、睡眠をベースにした休養はもちろんですが、1日の半分、つまりトレーニングをしていない時間をどのように休養に充てるか、この部分を正しい知識と合わせて発信していきたいですね。

ベネクス星:あるトレーナーさんが言っていましたが、トレーニング時間は目が届くのですが、終わった後の時間、個人のプライベートの時間には介入できないので、何が起きてるのか分からない、その時間で何をするのかが大事だけれども、そこまでは管理できない、と。なので、ベネクスのリカバリーウェアはまさに着るだけですので、すごく取り入れやすいと言って、試していただけることは多いですね。

池口氏:リカバリーウェアは、私も体験させていただきましたが、着た瞬間は何かってことはないですけど、休養時間が心地良いんですよね。選手は朝起きてトレーニングに向かう時の感覚が違うんじゃないかな、と思いますね。

ベネクス星:リカバリーウェアを着るようになる方は、やはり少し年齢が上がってきた方が多いのですが、よく皆さんが口を揃えたように言うのが、「もっと早くから着ていれば良かった、そうしたらきっと今のパフォーマンスが全然違ったんじゃないか」ということです。だから今の若い世代には積極的な休養を伝えたいと言って、ベネクスの考え方に共感をしていただけることが多いですね。

池口氏:そう思います。そう意味では、リカバリーウェアという解決方法は、意識づけをする象徴になりますね。

ベネクス星:こういう知識とか考えがもっともっと広がってくれれば、日本のスポーツがもっと強くなるのかなと思いますし、栄養の取り方と休養の取り方をJAPAN BASEで体現していくことで、ラグビー界に貢献をしていきたいですね。

池口氏:我々も大きなチャレンジをしていくので、是非ベネクスさんと、様々なカテゴリーの選手に伝えていきましょう。

ベネクス星:ラグビーの競技レベルは上がっているなと思いますし、2050年の目標というのも、私はなんか納得してるところがありまして。一長一短ではなく積み重ね、世代が変わって、さらに強くなっていく、ということですよね。でも、考えていくと2050年って決して遠いところではなく、意外と時間がないのかなという感じを受けることもありますので、結果出したいですね。

池口氏:そういった意識や、解決策を繋いでいきたいですね。これからもよろしくお願いします。

ベネクス星:こちらこそ、よろしくお願いします。本日は貴重なお話をありがとうございました。

Profile

池口 徳也

公益財団法⼈日本ラグビーフットボール協会
理事 共同最高事業統括責任者(co-CEO

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