【サポートチームインタビュー】NPO法人 Fun Place 39代表 宮浦めぐみさんVol.1 「障害者がスポーツをする環境を当たり前に。どんな方でもスポーツを楽しめることができる場所を切り拓いてきたFun Place 39」

サポートチーム / 休息タイプ-休養学 / 運動タイプ-休養学

ベネクスは、202111月から神奈川県横須賀市を拠点とした障害者スポーツ支援団体の「Fun Place 39」とサポート契約を締結しています。Fun Place 39では、障害のある方と一緒に水泳や陸上、トライアスロンなどのスポーツを個々の障害特性に合わせて楽しむことを目指し、「どんな方でもスポーツを楽しむことができる!」を掲げ、活動しています。今回は代表の宮浦さんにサポートチームインタビュー第2弾としてお話を伺いました。


RLスタッフ:5月にはジャパンパラ水泳大会に応援に行かせていただきありがとうございました。初めて拝見しましたが、みなさんのダイナミックな泳ぎに感激しました。

宮浦さん:こちらこそありがとうございました。選手にとってもすごく良い刺激になりました。39エンジョイチームとしても日本最高峰の大会において3位の銅メダル獲得ははじめてで、とってもうれしい結果になりました。

RLスタッフ:あらためてFun Place 39さんについて、知らない方のためにどのような取り組みをされているか教えていただけますか。

宮浦さん:ベネクスさんにサポートいただいているのは、所属団体のひとつであるパラ水泳競技を行っている「39 Enjoy Swimming 」チームですが、私たちFun Place 39は障害児通所支援事業所といって、いわゆる障害児の学童をメインで行っています。現在、学童の登録者は90名くらいで、うちでは水泳を軸にしていて、毎日事業所に来て、補食を食べ、プールで練習をすることが基本です。

RLスタッフ:一般的な子どもの学童とは違う点がありますか。

宮浦さん:普通の学童に通う子どもであれば、自分で通ってお母さんの帰りを待つことができますが、障害があると過ごし方もそれぞれ。一人一人に個別支援計画を立てて、その子の自立をしっかり考えてお預かりしている形になります。

RLスタッフ:Fun Place 39さんのように水泳をメインにされているケースは他にもあるのでしょうか。

宮浦さん:私たちが活動を始めた2012年頃は、福祉事業において、水泳領域で支援するというのは全国的に見てもどこにもありませんでした。今、少しずつ増えてはきましたが、当初、私たちのような福祉人材ではない人が支援をすることが認められていなかったこともあって、福祉の方々に水泳療育の必要性をお伝えしながら活動を進め、今に至っています。

RLスタッフ:福祉は福祉という枠であり、スポーツは別と考えられているのですね。

宮浦さん:そうですね。福祉制度のなかでは、障害者がスポーツをする環境ってまだまだ当たり前ではないです。障害者はスポーツなんかできないよね、障害者がプールに入るのはリハビリでしょうという感覚です。そういう考えに対して「水泳は、水の特性を使って障害者のリハビリにもなるし、自立を促せますよね」とひたすら伝えて伝えてやっと認められて、この4月の法改正で徐々に良くなった面も出てきました。

RLスタッフ:言い続けて今に至られているのですね。私たちが39 Enjoy Swimming チームをサポートさせていただくようになってまもなく3年になりますが、先日試合の様子を拝見させていただき、試合前後は待機時間も長く、椅子に座る方もいれば廊下や通路にマットやタオルを敷いて、その上で休憩されている姿などを拝見しました。

宮浦さん:障害者にとってスポーツ前後の準備やケアなどは、負担もありますし、障害ごとにその方法もみんな違います。一般の方と同じように、ウォーミングアップしたからと言って体が緩むわけではない場合もあります。ベネクスのリカバリーウェアは、自分にあったタイミングや使い方で積極的に休養がとれ、回復を早められることは心身ともに前向きになれる大切なアイテムになっています。サポートいただけてとてもありがたいです。

RLスタッフ:ベネクスを着用いただいて、チームとして実感できたことはありましたか。

宮浦さん:何もないゼロから始まったチームでありながら、サポートをいただきはじめたタイミングとともに、選手の競技レベルや成績も上がっていて、結果も出てきています。今年は日本最高峰のジャパンパラ大会の最終選考会にも初めて出られるようになりましたし、メダルも取ることができ、ベネクスが力になっているんだなって本当に感謝しています。

RLスタッフ:具体的に体感された事例はありますか。

宮浦さん:はい。視覚障害のある選手は時々電柱にぶつかってしまったり、ガラス扉に激突したりしてしまうことがあります。よく見えない、見えにくい障害者のあるあるです。ベネクスを着用することで、少しでも体や心に余裕ができ、注意ができるようになれば怪我の予防にもなりますし、実際しっかり予防になっています! また、緊張型の麻痺がある選手は、どんどん体が硬くなってしまうのですが、整体や治療に通う頻度が少なくなっています。

RLスタッフ:実際にどんな使い方をしていただいていますか。

宮浦さん:トレーナーズクロスは遠征先や試合に必ず持っていき、レース中は床や椅子に敷いて、コンディションの調整に活用させていただいています。ジャージなどのウェアは、試合や練習前後にそれぞれの特性に合わせて自由に着用できることもとてもいいですね。先ほどお話しした緊張型のタイプの選手は、ベネクスで緩めてから泳いでパフォーマンスを上げますし、自分である程度動いて緩めることができる選手は、泳ぎ終えてからベネクスでケアをします。

RLスタッフ:選手がそれぞれご自身にとってよい使い方を編み出されているのですね。

宮浦さん:みんないろいろ試していて「レース前に着たらよくなかった」「俺はレース前に着た方がよかったんだよね」とお互いに話をするキッカケにもなっています。実際選手の体のことは親もトレーナーも完全にはわからないところがあります。だからこそ、そういう感覚を人に伝えることができることも、自分の身体や状態の理解につながる大切なことだと思っています。

■Profile

宮浦めぐみ

神奈川県横須賀市を拠点とした障害者スポーツ支援団体「Fun Place 39」代表。Fun Place 39は、障がいのある方と一緒に 水泳や 陸上、 トライアスロンなどのスポーツを楽しむことを目的とし、「どんな方でもスポーツを楽しむことができる!」をモットーに掲げ活動している。法人名や事業内容にある「39」は娘さんの名前「さく」と「サンキュー」の二つの意味が込められている。

 Fun Place 39公式サイト
https://funplace39.com

  • copied