【サポートチームインタビュー】NPO法人 Fun Place 39代表 宮浦めぐみさんVol.2 「パラの世界でも競泳の世界でも、誰にとっても必要なリカバリー」

サポートチーム / 休息タイプ-休養学 / 運動タイプ-休養学

今回はサポートチームインタビューの第2弾として、NPO法人 Fun Place 39代表 宮浦めぐみさんに取材をさせていただきました。

前回までの記事はこちら→【サポートチームインタビュー】NPO法人 Fun Place 39代表 宮浦めぐみさんVol.1


RLスタッフ:宮浦さんご自身がベネクスをはじめて着用された時、いかがでしたか?

宮浦さん:これまで着ていたものと全く着用感覚が違いました。私自身、障害を持つ娘がおり、日々の生活のなかで身体だけでなく、精神的にも疲れやすいと感じていました。常に身体中緊張が続いているような感じが続いていたので、着て寝た時に本当にぐっすり眠ることができ、次の日の目覚めが全く違うというのは本当に感動的でした。

RLスタッフ:そう言っていただけてうれしいです。

宮浦さん:あとは着心地の良さですね。普段から比較的軽装なのですが、疲れがひどいとTシャツ1枚でも身につけていることにストレスを感じることもありました。それなのに、ベネクスさんの商品はジャージタイプでもとても気持ちがよいなと感動しました! 今ではなくてはならないものです。

RLスタッフ:選手の感想はいかがでしょうか。

宮浦さん:サポートいただいているパラ選手のメンバーもそれぞれ感動したと言っています。みんな多種多様な障害を持っていますが、下肢に麻痺のある選手は足の感覚が少ないにもかかわらず、冷えやすい足や身体がポカポカとあたたかくなり、とても楽になったと感動していました。また、パラスポーツをずっとやっていたシニアの選手たちは、サポートいただく前からベネクスを着ていたので、サポートいただくことがうれしいと喜んでいました。

RLスタッフ:弊社がサポートしているパラ水泳のレジェンドの成田さんもですが、ありがたいことに、パラスポーツの選手のなかには10年近くご愛用いただいているという方もいらっしゃると聞いています。

宮浦さん:ベネクスはパラの世界でも競泳の世界でも、誰にとっても必要なものじゃないかなと思います。

RLスタッフ:ありがとうございます。宮浦さんが、Fun Place 39さんを設立された背景をお聞かせいただきたいです。

宮浦さん:出産事故で重度の障害をもった一人娘の療育のために一緒にプールに入るようになったことがキッカケです。私たち夫婦が実業団の競泳選手だったことや、たくさんのご縁や支えがあって、横浜にある障害者スポーツセンターで水泳を初めて体験できる機会を得ました。しかし、実はその時に一度挫折してしまったのです。プールは娘にとっては初めての環境なので、泣き叫んでしまって入ることができませんでした。娘は脳性麻痺とアンジェルマン症候群という稀少遺伝疾患。同じ症状の子は誰もおらず、サポートいただくにも事例がなく、どうしたらいいのか私たちもサポートスタッフの方々も途方に暮れました。

RLスタッフ:その挫折からどのように設立に至ったのでしょうか。

宮浦さん:障害を持つ子にとっては、早期教育が大切で、水泳はリハビリ、教育の面でもよいと言われていました。私たち夫婦は水泳経験者だし、同じように療育を受けている友人からも、うちの子もプールに通わせたいとお話いただくことが徐々に増え、水泳を必要とする方が多くいる現状を感じるようになりました。当事者として自分達にできることがあるかもしれないと思うとともに、親としての立場から見た時、サポートくださる方々との温度差も実体験から感じていたこともあって、必要とする方々のためにも環境を作りたいと思い、2012年に任意ボランティア団体として「39 Enjoy Swimming」を設立したのがスタートです。

RLスタッフ:ご自身のお子さんも障害を抱えられての生活のなか、必要とされる環境がないなら自分が作るとは、なかなか簡単には思えないですよね。

宮浦さん:子どもにはそれぞれの個性があり、障害も異なります。だからこそ一律で見てもらえる環境はなかなかないと自身の経験で体感しました。一方で、私たち夫婦も水泳以外の面でたくさんのサポートを受けてきました。娘を他の方に見てもらい、自分自身ゆっくりする時間を持つということも少しずつできるようになって、親自身のケアも大切だと、身に染みて実感するようになったことも大きいかもしれません。

RLスタッフ:毎日続く生活だからこそ、支える側の家族がしっかり休める環境があることがとっても大切で、そんな場所を宮浦さんが作られたのですね。

宮浦さん:娘は睡眠障害もあるので、本人も、私たち夫婦も心身の疲労は少なくないと思っていますが、ベネクスを着ることで、良質な睡眠がとれ、毎朝の寝起きが違うようになり、朝一番に元気なスタートを切ることができています。障害のあるお子さんがいるご家庭のなかには、子どもの成長とともに介助もより大変になると思いますので、ベネクスのようなツールもあるということを知っていただけたらと思います。

RLスタッフ:ありがとうございます。この先、宮浦さん、Fun Place 39さんが目指すことがあれば教えてください。

宮浦さん:任意団体からスタートし、今はNPO法人という形になり、少しずつ活動の幅が広がるとともにあたたかい応援の声をいただくことも多くなってきました。そのあたたかい想いに「ありがとうございます」を伝える場所やその先に繋げることができていない現状があるので、これからはそんな機会を作っていきたいと思っています。

RLスタッフ:11月に予定されているインクルーシブイベント(障害や年齢に関係なくすべての人が参加できるイベント)を提供する取り組みには、そんな思いが詰まっているのですね。

宮浦さん:はい。私達の活動は共生社会の実現を目指していますが、障害のあるなしに関わらず、誰もが一緒に楽しめるイベントなどを実施し、一人でも多くの方々がお互いを理解し、垣根なく自然に関わることができる、そんな機会を作っていきたいと思っています。

RLスタッフ:私たちも機会がないことで、知らないことだと思ってそれ以上考えることをしていないかもしれません。

宮浦さん:そうですよね。そう言っても、知らないことには身構えてしまうし、どう接したらいいか悩むと思います。でも、私ができているくらいなので、実は誰にでもできるんですよね。ふれあえばふれあうほど寄り添えるし興味が湧く。そうすると障害のある家族とか身内だけではなくて、全然知らない子のサポートもできるしっていう。うちの学生たちも本当にどこにでもいる言うこと聞かないやんちゃな子たちですから()

RLスタッフ:お互いに興味を持てる、ちょっとしたキッカケが大切なのかもしれませんね。

宮浦さん:あとは、寄り添っていただいただけで終わりという関係だけでは、行政や社会の変化にはつながらないと思っています。私たちの事業所でも待機児童が毎年増えています。デイサービスは18歳までが対象になるのですが、定員が決まっているということは、幼稚部から入ると18歳の卒業までは定員が変わらないことになり、すぐに限界が来てしまいます。今の福祉制度、行政のなかではそういう課題がありますし、今初めて13年になりますが、これだけ続けていてもまだ理解の部分はまだまだだなと思っていて、活動もしっかり発信して、みなさんとつながっていけたらと思っています。

RLスタッフ:これからも応援していけたらと思います。本日はありがとうございました。

■Profile

宮浦めぐみ

神奈川県横須賀市を拠点とした障害者スポーツ支援団体「Fun Place 39」代表。Fun Place 39は、障がいのある方と一緒に 水泳や 陸上、 トライアスロンなどのスポーツを楽しむことを目的とし、「どんな方でもスポーツを楽しむことができる!」をモットーに掲げ活動している。法人名や事業内容にある「39」は娘さんの名前「さく」と「サンキュー」の二つの意味が込められている。

 Fun Place 39公式サイト
https://funplace39.com

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