目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートすることを目指しています。
まずThink Athleteの第1弾という形で、はやぶさイレブン監督兼選手の永井雄一郎さんを、取材させていただきました。
Vol.1はこちら→【Think Athleteインタビュー】サッカー・永井雄一郎さん Vol.1 「監督一年目の振り返り、そしてチームのリカバリー戦略」
RLスタッフ:前回(春の睡眠イベント※)お話させていただいた時に、 怪我をしてない試合は、年間通して数試合しかないとお聞きしました。とすると選手は怪我を隠して出場することもあるのでしょうか。
永井さん:これは僕のケースの話なのであって、皆が怪我を抱えてプレーしているわけではないと思いますが、常に何も不安無くプレーができるのはかなり難しいのではないかと思います。今のJリーグとは考え方が違うかもしれませんが、僕がJリーグでプレーをしていた時はまず試合に出たいっていう気持ちが第一でしたので、多少痛くても試合に出ることを優先してきました。「痛いです。できません」と言った時点で、チャンスを失う状況でしたので、多少無理してでも試合に出なくてはいけないという気持ちは、強かったと思います。
RLスタッフ:そのあたりの考え方は、今の選手も強いのでしょうか。
永井さん:今のチームにはそのような気持ちが強い選手は多いので、痛みがあったら休むことは絶対に必要だと伝えています。いくらメディカルに直ぐに診てもらえるような環境であっても、その痛みに関しては本人にしか分かりませんので、「より良くなるために、どのような準備をしていけばいいのかを常に考えなさい」というのを伝えるようにしています。怪我をして長期離脱になってしまうことは絶対に避けたいので。
RLスタッフ:監督の心の声が(笑)。
永井さん:そうですね。練習をしないと試合には出せませんし、チャンスが来ているのにもったいないなと思うことはありますが、指導者としては今無理をさせることよりも、少し先も考えたアプローチもしていかなくてはいけません。その中でチームを動かして落とせない試合が続くので、怪我のリスクと勝負のバランスは常に悩むところです。
RLスタッフ:今度は永井さんご自身のリカバリー方法をお聞きしたいです。ベネクスのリカバリーウェアを、10年来で使っていただいてることは、前回伺っていますが、それ以外でリカバリーのために実践しているルーティーンはありますか。
永井さん:実は、僕はルーティーンが増えることが、ストレスになるタイプなので、その時その時に必要だと思うことを自分でチョイスしています。必ずやってるのは、寝る時にベネクスさんのウェアを着て寝るというのだけは、変わらないんですけど。
RLスタッフ:ありがとうございます。
永井さん:ウェアを着る以外でも、例えば足首用のタイプもありますが、それを必ず毎日してるわけではなく、少し足首が気になった時につけたりしています。ベネクスをフル装備で寝るのが一番良いのかもしれないのですが、リカバリーをするために何が必要なのかと問うようにしています。まず自分の身体の異変をきちんと拾えるようにして、それと向き合うことが必要だと思っているからです。
RLスタッフ:監督としても選手の表情を拾うなどありましたが、その考え方は、どこかで勉強をされたのですか。
永井さん:浦和レッズに高校卒業後に入団して、その当時のトレーナーの方から言われてたのは、「まず自分の身体を知りなさい」ということ。「自分の身体を知って、自分の身体の情報や変化を全部拾えるようにしなさい」と。
RLスタッフ:具体的には、どのようなことを「拾う」のですか。
永井さん:例えば、「どうした時にどう痛いのか」「どういう時に痛めたのか」など、怪我をした時点の状況が無いと、治療のしようがないと言われました。ですので、自分自身でしっかりと身体の情報を拾い、どのように痛めたか以外にも、どこの筋肉が、どんな動きをした時に、どう痛いのか。どの動作では痛みが走らないか、など細かく拾えるよう意識するようになりました。長くプレーを続ける上で今でもその言葉がベースにあります。
RLスタッフ:「拾う」情報によって、リカバリーの選択が変わるということですね。
永井さん:拾うことによって、それにあったものを自分でチョイスしていこうねということです。足首にちょっと異変があるなと思ったら、足首を覆うものを付けたり、筋肉系だったらマッサージガンを使ってみたり。あとは、痛みを感じている場所とは違う箇所のここが使えてないから痛いです、となれば、そこを筋肉で補強するという選択が出てきます。
RLスタッフ:最初に浦和レッズに入られたことで、トレーナーの方やメディカルスタッフからそこまで教わったところが活きているわけですか。
永井さん:たくさんのスタッフの方々に支えてもらって続けてくることができましたから、色々なアプローチ方法がありました。しかしベースには自分の身体を知り、「拾った」情報をトレーナーの方々に伝えるという、最初の教えが常にありました。ただ一方で、過度に敏感になりすぎてしまう時もあります。少しの異変でも気になって、プレーができないということも出てくるので、本当に何か異変があれば、すぐドクターに言って、できる限りのチェックをして、早期発見をするのか、そのままできるのかの判断はこまめにしていました。
※2022年3月18日【睡眠の日特別企画】現役アスリート×サッカー日本代表フィジカルコーチ×休養学専門家『攻めの睡眠』のカタチを探る
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Profile
◇はやぶさイレブン 永井 雄一郎 監督兼選手
1979 年生まれ、東京都新宿出身のプロサッカー選手で、浦和レッドダイヤモンズなどで活躍。2003 年には日本代表にも選出されチーム初得点を記録し、ジーコジャパンの初勝利に貢献。2007 年には AFC チャンピオンズリーグ決勝で先制点を決め、大会 MVP に選出されるなどの経験を持ち、現在は神奈川県社会人リーグ 1 部で活躍する「はやぶさイレブン」に所属し、監督兼選手として活躍中。
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