目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートすることを目指しています。
今回はThink Athleteの第四弾として、ライフセーバーの三井結里花選手に取材をさせていただきました。
前回までの記事はこちら→【Think Athleteインタビュー】ライフセーバー 三井結里花選手 Vol.5「産後のベネクスリカバリーウェア活用方法」 | 休養・リカバリーウェアのVENEX（ベネクス） (venex-j.co.jp)
RLスタッフ：ママアスリートとして、一般的なママと違うなと感じるところはありますか。
三井選手：私自身が他のママにほとんど会ってないし、比べたことがなかったのでわからないんですけど、友達に話を聞いてみると、あんまり変わらないかなと思います。
RLスタッフ：どうしてそう思われたのでしょう。
三井選手：私は競技がありますが、他のママも、家族の時間を良くするために頑張っていたり、自分の趣味など、それぞれを大切にしているものがあると思っています。競技ではなくても目標があって、出産後も目標に向かって続けている子もいて。そう思うと、私は競技アスリートっていうだけであって、他のママとあんまり変わらないなって思ったのが正直なところです。みんな自分自身を持ちつつ、プラス母になっている感じがしました。
RLスタッフ：ママアスリートへのサポートの現状や、復帰に関して困ったことなどはありましたか。
三井選手：どうやって復帰したらいいのかや、復帰までに必要な時間などが知りたくて、すごく調べてやっとたどり着いたのが一般社団法人MANでした。ママアスリートが設立した団体で、そこの記事は読み漁りました。実際、事務局にもいろいろ問い合わせて、帝王切開で復帰されたラグビー選手のお話を紹介してもらうなど、非常に助けてもらいました。
RLスタッフ：ものすごい調べて、ということですが、ママアスリートが相談できる場所やまとまった情報ってなかなかないんでしょうか。
三井選手：はい、本当にないです。ライフセービングはオリンピック種目ではないので、JISS（国立スポーツ科学センター）にも行けない。だから自分の知人に聞くぐらいしかできなかったですね。私と同じ競技者のなかで、産後すぐに世界大会に出たいという人もいなかったので、参考になる情報がなくて困りました。不安にもなるし、復帰できるのかな...と。
RLスタッフ：お母さんにとって、出産前の情報はたくさんあるけど、産後は情報が少ないと聞きますが、アスリートはさらに情報が少ないような感じですね。
三井選手：どこかでトータルサポート受けるようなことは、なかなか難しくて、自分で全部聞いて、情報を集めて、自身で何とかしたという感じでした。それこそ知り合いを頼っていろんな方にお話を聞きました。お世話になってるトレーナーさんに相談しながらトレーニングを見てもらったり、大学のゼミの先生がスポーツ栄養士だったので、アドバイスをもらいもしました。知り合いの知り合いが助産師さんでそのつてを頼ったり、知人の奥さんが、産婦人科の先生と聞いては、紹介していただいて...と、そこまでして聞いたって感じです。
RLスタッフ：答えは見つかったのでしょうか。
三井選手：本当にいろいろな方にお伺いしましたし、もちろん病院にも聞きました。そうしていろいろ情報を集めましたが、最終的には人それぞれ違うよねっていうところに行きつきました。結局のところ、自分の体は自分でしか管理できない。ま、そりゃそうだなとは思ったんですけど、それにしても情報が圧倒的に少ないなと思いました。
RLスタッフ：全部自分一人で集めて判断された感じなんですね。
三井選手：夫も一緒になって調べてくれました。
RLスタッフ：ご主人のご協力は大きいですよね。産後のお母さんには、ご自身でできるケアももちろん大切ですが、周囲の理解やサポートがとっても重要だと聞きます。話は変わりますが、ベネクスのアンバサダーには、産後復帰されて東京オリンピックに出場された寺田明日香選手もいらっしゃいます。
三井選手：寺田さんはメディアにもよく出られていて、産前から知っていましたし、SNSのニュースなどでも拝見していて、記事もよく参考にさせていただき、すごいなと思っていました。出産後に目にした世界陸上で1位を取った女性選手がいたのですが、出産前のベスト記録の更新を出産後にされたと知り、その選手からもすごく勇気をもらいました。
RLスタッフ：今度は三井選手が励ます番ですね。
Profile
◇ライフセーバー 三井結里花選手
1992年3月7日生まれ。日本大学入学後、ライフセービングを始める。ライフセーバー資格取得後、千葉県の九十九里蓮沼海岸で監視活動を経験。ライフセービングスポーツでは、2010年より強化指定選手。2019年に全日本ライフセービング選手権で9連覇。2022年11月に出産後、わずか半年で世界大会への出場権を獲得し、10月開催の世界選手権パドルボード競技にて金メダルを獲得。2023年も再び世界選手権に向けて日々練習を重ね、将来「ライフセーバーが必要とされない海」の実現を目指して活動中。
2016年： ライフセービング世界選手権オーシャンウーマン※ 5位入賞
2019年： 全日本選手権200ｍスーパーライフセーバー 9連覇
2022年： ISA World SUP and Paddleboard Championshipプローンディスタンスレース（パドルボード） 金メダル
※オーシャンウーマンとは：スイム・ボード・スキー・ランの4種目を1名で行います。レース前に実施される抽選で競技順が決定し、その順番によって展開が大きく変わります。各種目の技術と4種目をやりきる体力、そして状況判断力と、総合力が問われるライフセービングスポーツの競技です。
