目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートをすることを目指しています。
今回はThink Athleteの第9弾として、プロサッカー チョン・ソンリョン選手に取材をさせていただきました。
これまでの歩まれた道のりはもちろん、長くプロを続けるモチベーションやリカバリーへの意識、現役アスリートとして突き進んでいく将来の目標まで余すことなくお話しいただきました。サッカー選手を目指すあなたにも読んでほしい、インタビューです。ぜひご覧ください。
――チョン・ソンリョン選手の過去の経歴をあらためて見ますと、川崎フロンターレが最も長く在籍するクラブになりました。日本に来る以前は、このような未来を想像していましたか？
「正直こんなに長くいるとは思っていませんでした。僕にとって、初めての海外での挑戦でしたし、日本でのプレーがどうなるか未知数なところがありましたね。」
――もう一度韓国・Ｋリーグのクラブに復帰する選択もここまでの期間にはあったと思うのですが、なぜこれほどまで長く日本に、そしてフロンターレに在籍する決断をしたのですか？
「僕がフロンターレに加入して以降、本当にクラブに関わるすべての人が家族のように接してくれて、そして実際に多くのタイトルを獲得することもできました。また僕の周囲には偉大な選手もたくさんいて、彼らと一緒にプレーして本当に楽しく、そしてサッカーがより面白いと感じるようになりました。クラブハウスや練習場など、環境的にもすばらしいです。そうしたさまざまな理由があって、僕がフロンターレで長くプレーしたいという考えになっていきました。」
――ソンリョン選手が加入して以降、フロンターレはタイトルを多く獲得し黄金期を迎えました。強いチームの最後尾に、常に鉄壁の守護神としてソンリョン選手が存在してきました。
「自分にとってもすごく良いキャリアになりましたし、サッカー選手としての自分の自信にもなっています。フロンターレに入る前よりも、選手として人としていろいろなことを学ぶことができたと思いますし、いまもまだ学んでいる最中です。何より、自分自身のＧＫとしてのレベルアップにもつながっていると思います。」
――それまで長らくＫリーグで活躍されてきましたが、実際にＪリーグでプレーしてみて感じた違いはありましたか？
「Ｊリーグのほうが、ＧＫに攻撃のビルドアップに関与することを多く要求していると思います。ビルドアップ時にＧＫがボールを触る回数が多いです。もちろんＫリーグがそうではないということではなく、いまは以前とは異なりビルドアップが求められています。現代のフットボールは変化、進化がものすごく速く、この５年、１０年で、ＧＫの役割は世界的にも大きく変わったと思います。」
――ソンリョン選手のプレーを見ていますと、セービングに対するこだわりやゴールを守ることがＧＫにとって最も重要な役割であることをあらためて感じさせてもらえます。
「僕は毎試合前に必ずプレーのイメージトレーニングをして、ピッチに入ります。特に僕は１対１の場面でのセービングが一番の強みだと思っているので、そこで自分の実力を見せないといけないと考えています。僕はここ日本では外国から来た助っ人選手ですので、グラウンドで何か特別な"違い"を見せつけなければいけない。ＧＫである僕にとっては、それがシュートストップへのこだわりにつながっていますね。」
――日本での生活については、来日する以前と実際に生活している現在で、考え方は変わりましたか？
「まずは本当に静かな環境だなと思いました。僕の住んでいるところが静かなのかもしれないですけれども、日本はどこに行っても全体的にそう感じます。あとはコンビニとかに行っても、ご高齢の方でも皆さん一生懸命にお仕事をされていて、本当に丁寧に接してくれます。エレベーターに乗るときも、皆さん礼儀正しく接してくれるので、すごく素晴らしいなと感じます。」
――ＳＮＳの発信などでも、ソンリョン選手のご家族も日本での時間をすごく楽しんでいる様子が伝わってきます。
「コロナの影響でいまは家族が韓国に戻ってしまったのですが、日本で一緒に生活していた時期は本当に良かったです。みんな日本のことが大好きで、いまでもまた日本に来たい気持ちがあるようです。毎回韓国に帰ると、家族で日本の話をします（笑）。それでまた家族が日本に来た時がに、僕がいろんなところに連れて行ったりして思い出を作っています。どこに連れて行っても、とても満足しています。」
■Profile
チョン・ソンリョン選手
1985年1月4日生まれ、大韓民国・京畿道城南市出身のプロサッカー選手。
ポジションはゴールキーパー。元韓国代表。
〈所属チーム歴〉
西歸浦高等学校(大韓民国) - 浦項スティーラース(大韓民国) - 城南一和(大韓民国)
- 水原三星ブルーウィングス(大韓民国) - 現在：川崎フロンターレ
2018年・2020年 Jリーグベストイレブンに選出
2008年・2012年 オリンピック韓国代表
2010年・2014年 FIFAワールドカップ韓国代表
2007年・2011年・2015年 AFCアジアカップ韓国代表
