【Think Athleteインタビュー】プロビーチバレーボール 辰巳遼選手Vol.2 「北海道にいたからこそ、今のDOTsがある。核心に触れるまで努力をする過程を次世代につないでいく」

Think Athlete / 休息タイプ-休養学 / 運動タイプ-休養学

目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートをすることを目指しています。

今回はThink Athleteの第14弾として、プロビーチバレーボールチームDOTsの辰巳遼選手に取材をさせていただきました。

前回までの記事はこちら→辰巳遼選手Vol.1「仕事に練習に全力で取り組んだ生活の中で培われた、自分を整えるスタイル」

RLスタッフ:リカバリーウェアの他に、アスリートとして実践していることはありますか?

辰巳選手:食事ですかね。食事は自分を強くしていくものでもあると思いますが、リカバリーの要素もあると思っています。なかでもリカバリーで特に意識しているのは睡眠です。マットレスや枕もそうですし、ベネクスもちろんそうですし、睡眠時間を確保することはずっと意識しています。

RLスタッフ:睡眠時間はどれくらい取られていますか?

辰巳選手:7時間半は必ず寝るようにしています。次の日の起床時間から逆算して、8時間か8時間半前には布団に入って、7時間半はしっかり睡眠を取ります。

RLスタッフ:眠りにつきやすくするための工夫はされていますか。

辰巳選手:夕食を取り終わったら、部屋の電気は間接照明の柔らかい色で、暗めにします。本を読むと眠くなるので、本を読んで(笑)

RLスタッフ:ルーティーンで段取りして眠りを整えられているのですね。ベネクスを着用いただいて、睡眠の質の変化はありましたか?

辰巳選手:割とどこでも寝られるタイプなんですが、夢を見なくなりましたね。そして目覚めがすごくいいです。眠くてもうちょっと寝たい、というのがほとんどないです。

RLスタッフ:睡眠をしっかりマネジメントされていて、一日一日でしっかりリセットされている感じがしますね。見習いたいです。ところで、ビーチバレーはインドアのバレーとは大きく違いがあると思いますが、感じる違いはどうでしょうか?

辰巳選手:古田も僕もビーチバレーに転向してから、大きな怪我を経験していません。それは床と砂場との違いで、体にくるダメージが少ないからではないかと思っています。代わりに、床の反動を使って走ったり、飛んだりできない分、シンプルに筋力や体の強さが必要です。フィジカルがボールの技術と同じくらい大事と言っても過言ではないです。

RLスタッフ:では以前よりもフィジカルは強化されているんですね。

辰巳選手:体育館でバレーボールをしていた時よりも、トレーニングは2倍以上していますので、よりスピーディーに回復させることも大切です。

RLスタッフ:違いと言えば、海外遠征もすごく増えたんじゃないですか。移動の疲労はどうですか?

辰巳選手:めちゃくちゃ増えましたね。僕自身は乗り換えが極端に多くなければ、移動が好きなんです。海外遠征だと十数時間飛行機に乗ることがザラですが、僕はその時間も割といろんなことをして楽しめるタイプです。

RLスタッフ:楽しめるのも才能ですよね。どうやって過ごしているのですか?

辰巳選手:本を読んだり、映画を見たり、シンプルに寝て過ごしたり。何も気にせずゆっくりできるのがいいなと思っています。

RLスタッフ:移動時間を退屈な時間と脳が認識して飽きることによって、疲れが増すと聞きました。だからこそ辰巳さんのような、"移動=楽しい"という思考はプラスになると感じます。辰巳さんのように、自分の置かれている環境や、目指す将来に向けて考えて行動する方を、ベネクスでは"Think Athlete"と呼んでいます。辰巳さんはどのように行動する人が自分を考えるアスリートとだと思われますか。

辰巳選手:出身校である、大阪の清風高校には「核心に触れるまで努力をする」という言葉があります。大人になって、プロになって、その言葉をかみ砕くというか、自分でも理解ができるようになってきました。プロじゃなくてもアマチュアでも練習をこなすことはできると思うんですが、その練習の時間を次の意欲や自分の自信につながるところまで練習ができる人って一握りもいない。だから常に向上心を持って、自分の核心に迫るまで努力ができる人が、Think Athleteなんじゃないかなと思います。

RLスタッフ:お話して感じるお人柄は、競技が軸にありながらも周囲にある大切なものを見つめて進んでこられたからこそだと思いました。DOTsとして目指す目標や抱負があればお聞かせください。

辰巳選手:競技では世界で戦い、世界で表彰台を目指せるようなチームを作っていこうということをテーマにしています。そういう目標があるなかで僕たちの過程や、日本で、北海道での活動を社会や地域にしっかりと伝えて、次の世代のアスリートや、子どもたち、地域の方々に何かいいキッカケを与えることがいいなと思って活動をしています。

RLスタッフ:徐々に活動の輪は広がっていますか。

辰巳選手:ワールドツアーでも戦えるようになってきて、支えていただける方々のおかげもあって少しずつ広まってきていると思います。発足当初の思いや、目標の軸がぶれないようにしっかり保ちつつ、よりよい活動をしていきたいと思っています。

RLスタッフ:競技で世界を目指すことと並行して次世代の育成や、地域・日本の活性化も見据えられているのは、なかなかできないことだと思います。

辰巳選手:北海道で活動していたから今がある、というのもあると思っていて。仮に僕たちが東京にいて、アスリート社員として雇ってもらって選手としての活動ができていたらDOTsという形はなかったかもしれません。ビーチバレーという競技が根付いていない北海道という地域で活動を開始したので、僕たちが現役でやっている間は、すぐに目指す形にはならないだろうと。そういうこともあり会社化して、できれば次世代にはいい環境でバレーボールやスポーツができる環境になればいいなと思っています。

RLスタッフ:北海道という土地がDOTsを結成させたのですね。

辰巳選手:これまでも北海道にもビーチバレーの選手がいたのですが、日本の他地域での大会だったり、海外の大会に出場したりすることは距離のハンデや、ハードルが高いと思われていて、道内での活動に留まっていました。それが、僕たちの活動もあって、今ようやく他の選手も東京の大会に出場するようになってきています。それがもっと当たり前になればいいなと思っています。

RLスタッフ:DOTs北海道、日本のビーチバレーのスタンダードを作りあげていますね。そんな辰巳選手が魅了されたビーチバレーの魅力を教えてください。

辰巳選手:ビーチバレーは、バレーボールをしたことがない方が見ても、砂の上で動く大変さを感じると思います。大学生の時の僕もそうでした。動きにくいうえ、人数は3分の1しかいないのに、不思議とボールが落ちないんです。6人制のバレーボールはセッターやスパイカー、リベロと役割が決まっていますが、ビーチバレーは本当にすべてをこなさないといけない。総合的なバレーボールの上手さだったり、2人で決めるという戦術があったり、そんなところが魅力かなと思います。

RLスタッフ:見て魅力を感じて、実際にやってみても面白さを感じ続けていますか。

辰巳選手:実は転向してすぐの頃は、勝手が違いすぎて面白くなかったんです。思ったよりしんどくはなかったけど面白くない。

RLスタッフ:どういうことでしょう。

辰巳選手:あれ、おかしいぞと思いながら続けて、練習や試合をこなして、競技生活にようやく慣れてきて、あの時感じた面白さに近づいてきている感じがします。

RLスタッフ:ビーチバレーの核心に迫りつつあるんですね。辰巳選手の核心に迫るまでの軌跡、DOTsさんの地域社会での活動をこれからも応援しています。

Profile

辰巳 遼(たつみ りょう)選手

1995年718日生まれ、奈良県磯城郡田原本町出身のプロビーチバレーボール選手。

清風高等学校、明治大学を経て、ヴォレアス北海道(当時V3)に入団。チームのV3優勝に貢献し、自身も最優秀新人賞を受賞。
2021年にビーチバレー界に転向し、DOTsを結成。
俊敏な動きと確かな技術を持ち、パートナーとのコンビネーションで勝利を収め、国内外のビーチバレー大会で活躍している。将来の成長が期待される若手選手。

〈経歴〉

2018年 ヴォレアス北海道に入団、
2018-19年 V.LEAGUE DIVISION3 MEN 最優秀新人賞
2021年 ビーチバレー選手に転向、辰巳遼、白石啓丈とともにビーチバレーチームDOTsを立ち上げ

〈所属チーム歴〉

清風高等学校 - 明治大学 - ヴォレアス北海道 - 現在:DOTs(ビーチバレー)

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