【Think Athleteインタビュー】元ソフトボール選手 渥美万奈さん、峰幸代さんVol.1 「社会に貢献・活躍できる力が備わる、ソフトボール。価値を高め、魅力を伝え、道を切り拓いていく」

Think Athlete / 休息タイプ-休養学 / 運動タイプ-休養学

目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートをすることを目指しています。

今回はThink Athleteの第15弾として、元ソフトボール選手であつみねコンビの渥美万奈さんと峰幸代さんに取材をさせていただきました。

元女子ソフトボール日本代表の金メダリストである渥美万奈さん、峰幸代さん。現役を引退した現在は、二人合わせて「あつみね」として、ソフトボールの魅力を伝え後進を育てようと、積み上げてきた技術・知識・メンタルなどを広める活動をされています。


RLスタッフ:まずは頂点を極めたお二人のソフトボールのご経歴をお聞きしたいです。

峰さん:小学生の頃は少年野球でプレーしていました。6年生の時に世界的スポーツ大会で女子ソフトボールチームが準優勝する姿をテレビで見て、「ソフトボールって世界一になれるチャンスがあるんだ」と衝撃を受け、中学生からソフトボールをはじめました。

渥美さん:私は小学校1年生からソフトボールをしながら硬式野球の練習をしていました。

RLスタッフ:お二人とも野球もされていたのですね。

渥美さん:私が野球で得たものは、「男の子たちには負けたくない」というライバル心の芽生えから、強い気持ちを作ることができたところですね。ソフトボールでは、個人的な成績でも全国出場にも恵まれず、2008年にトヨタ自動車に無名選手として入団しましたが、2013年で全日本に入ることができました。

RLスタッフ:今の渥美さんの穏やかな雰囲気の裏側にそんなにも激しい闘争心があるとは思えません(笑) 峰さんは2008年、チーム最年少の20歳で代表として初めてプレーされていますが、小学生の時に目にした感動を実現されて、どんなお気持ちでしたか。

峰さん:レベルの高い先輩たちが多かったので、自分が足を引っ張ってはいけないと、プレー以外の道具の管理や私生活においても気をつけながら必死でついていきました。

RLスタッフ:プレー以外の面が結果としてプレーにつながるということでしょうか。

峰さん:特にソフトボールチームは、"私生活=グラウンドでのプレー"と言っても過言ではないくらい直結していて「道具の管理ひとつできないのであれば、いいプレーはできない、いいプレイヤーにはなれない」と学生の頃から教えられてきました。世界一になるのはグラウンド上だけではなく、いろいろな部分で目指すものだと。

RLスタッフ:峰さんは2008年に次いで、2021年にも世界の大舞台に立たれました。最年少での出場とは違う心持でプレーされていたのかなと思います。

峰さん:そうですね。世界的スポーツ大会で勝つというのは他の国際的大会とは違うことだったり、経験を伝えることや、若い選手がよりよいパフォーマンスをするために上の私たちがどう働いていくかといったことにも努めました。

RLスタッフ:トップを極めたお二人の出会いはいつ頃だったのでしょうか?

渥美さん:私が2013年に全日本に入った時の初めての相部屋の方が峰さんでした。

峰さん:そんなこともありましたね(笑)

RLスタッフ:当時の印象はいかがでしたか?

渥美さん:峰さんは厳しいというイメージだったので、正直怖かったです。しかも、相部屋になる1週間前くらいに日本一を決めるリーグ戦の決勝戦を行ったばかりでした。

峰さん:私はルネサスエレクトロニクス高崎(現ビックカメラ高崎)で、こちらはトヨタとライバルチーム同士でした。

渥美さん:私たちのチームが勝った年だったので、「大丈夫かな...」と不安でしたが、峰さんは部屋ではとても穏やかで話も聞き上手な方でした。一方で、ソフトボールとなるとスイッチが入る。峰さんのように、ダメなものはダメとはっきり指導してくれる方との出会いは私にとって初めてでした。こんな先輩が同じチームにいてくれたらいいなと思った矢先に、峰さんが縁あってトヨタ自動車に入られました。そこからの長いご縁ですが、峰さんがいなければ一緒に2021年の世界大会に行けなかったのではないかと思っています。

RLスタッフ:競技生活中にお二人が出会い、引退後も"あつみねコンビ"で活動されていますが、結成までの裏側をお聞きしたいです。

峰さん:私は2021年の世界大会が終わったら引退すると決めていて、その先のビジョンは現役時代から考えていました。一方、渥美さんはまだまだプレーができる状態でしたが、この先どうするという相談をするなかで、辞める意向があると聞きました。話すうちに、志が同じだったこと、また一緒にやることでもっと輪が広がると思い、お誘いしました。

RLスタッフ:志とはどんなものだったのでしょう。

峰さん:ソフトボールをしている子どもたちを応援したい、もっとソフトボールを好きになってほしいという思いですね。そのために今プレーをしている選手や、ソフトボールというスポーツそのものの価値をもっと高めていき、世界での舞台を経験した私たちが引退後もソフトボールと関わり、広めていくモデルケースになろうよ、といろいろな活動を進めることになりました。それが現役選手にとっても大事な道筋になるんじゃないかと。

RLスタッフ:峰さんの言う、ソフトボールの価値はどんなところにあるのでしょうか。

峰さん:社会で活躍できる人財を排出できるスポーツであるということです。団体競技なので、自分が活躍することに加え、誰かを支えることも大切にします。そして常に練習を重ねて自分を変化させていくことに恐れない姿勢は、社会に出てからも必要な素質です。そういう面を知ってもらえることで、この人はソフトボールをやっていたから社会でも活躍しているんだなとわかってもらい、引退後も活躍できる場が増えたらうれしいなと思っています。

渥美さん:ソフトボールは団体競技というところで、トップがいてその下にコーチ、次に選手という形で、組織の在り方が企業と同じです。マネジメントも常に意識しているので、自分たちの役割も常に模索しながら練習や試合にも臨んでいますね。仕事をしている方々も同じような役割を持ってやられているので、そういう面からもソフトボール選手は社会に出ても活躍できるんではないかなと思います。

RLスタッフ:ソフトボールには社会に必要な要素がつめ込まれているんですね。

渥美さん:スポーツ選手は挨拶もすごく元気で、その場を盛り上げ、明るくなるような存在の人が多いです。そうした選手たちを企業の方々から「うちの会社に来てほしい」と言っていただけたらいいなと思っていて、そういった後押しになればと思っています。

あつみね公式サイト
https://tsuku2.jp/atsumine222

Profile

渥美 万奈(あつみ まな)

1989615日生まれ、静岡県浜松市出身の元ソフトボール選手。ポジションは内野手。

堅実な守備と打撃力でチームの中心選手として活躍し、「誰もが認める守備の名手」とされました。

2021年世界的大会の決勝では、ピンチの場面での奇跡的なダブルプレーで金メダル獲得へと貢献しました。特に、強肩と正確なバッティングでチームに貢献し、彼女の冷静なプレーとチームを支える精神的な強さは、多くのファンや若い選手たちに影響を与えました。

引退後は、ソフトボールの普及と後進の育成に尽力し、メディア出演や講演活動を通じて、ソフトボールの魅力を広める活動を続けています。

〈経歴〉

2016年・2018年 世界女子ソフトボール選手権 日本代表
2018年 アジア大会 日本代表
2021年 東京オリンピック ソフトボール日本代表 金メダル獲得

〈所属チーム歴〉

常葉学園菊川高等学校-トヨタ自動車レッドテリアーズ

峰 幸代(みね ゆきよ)

1988126日生まれ、神奈川県横浜市出身の元ソフトボール選手。ポジションは捕手。

2008年の世界的大会ではチーム最年少の20歳で出場し、捕手として金メダル獲得に貢献。2度目の出場となった2021年大会では、数少ない大会経験者としてチームを精神的に支え、金メダル獲得に貢献しました。また、国内のリーグ戦でも数々のタイトルを獲得し、その名をソフトボール界に刻みました。

引退後は後進の指導に力を注ぎ、日本のソフトボールの発展に貢献。その経験と情熱は、若い選手たちにとって大きな励みとなっています。

〈経歴〉 

2007年 世界ジュニア選手権代表
2008年 北京オリンピック ソフトボール日本代表 金メダル獲得
2010年・2012年・2014年 世界女子ソフトボール選手権 日本代表
2010年・2014年 アジア大会 日本代表
2021年 東京オリンピック ソフトボール日本代表 金メダル獲得

〈所属チーム歴〉

木更津総合高等学校-ルネサスエレクトロニクス高崎-トヨタ自動車レッドテリアーズ

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