【Think Athleteインタビュー】プロサッカー 権田修一選手Vol.1 「意識してつくるオフタイムが、質の高いオンタイムを生み出す」

Think Athlete / 休息タイプ-休養学

目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートをすることを目指しています。

今回はThink Athleteの第18弾として、欧州でのプレー、日本代表経験もあるプロサッカー選手の権田修一選手に取材をさせていただきました。


RLスタッフ:以前からのご愛用、また本日はインタビューの機会をいただきありがとうございます。早速ですが、権田選手とベネクスの出会いをお聞かせください。

権田選手:最初に知ったのは、2014年の日本代表の時、代表選手のひとりが飛行機の移動の時に着用していたのを見て「なんだろう?」と思ったのがキッカケです。それから着始めて、以来寝るときはずっとベネクスです。遠征や、ちょっとした旅行でも必ず忘れずにバッグにはベネクスを入れています。

RLスタッフ:ベネクスを初めて着た時の印象はいかがでしたか?

権田選手:はるか昔過ぎて覚えていないんですよね(笑) 着ないことによる変化が怖くて、着ない日がないので、一度着ない日を作る実験をしようかと思っているくらいです。

RLスタッフ:それほど長く、毎日着ていただけて感激です。

権田選手:長距離移動もあるので、移動中にも着ています。ポルトガルでプレーしていた当時は日本代表の活動もあり、着圧のウェアを着て移動していたこともありました。ただ十何時間もその状態が続くと、締め付けられている感じがあるので、リラックスできなくて眠りにくい感覚がありました。着圧ウェアはむくみ対策で着ていたので、飛行機を降りてから散歩や運動をすればむくみは解消できるなと思って、ベネクスを着て移動すると決めてから、機内でのストレスが減り、すごく眠れるようにました。ブランケットも常に持っていて、ワールドカップにも持っていきました。

RLスタッフ:カタールでのワールドカップの好セーブの数々、すごく感動しました。直前にご注文いただき、スタッフ一同で応援していました。実際に権田選手のようなトップアスリートが使用してくださることは私たちの励みになります。

権田選手:ワールドカップは緊張状態になるので、リラックスしたいなというのがありました。その時お願いしたブランケットは、通常販売していないタイプのものだったので、直接連絡させていただきました。以前所属していたチームのクラブハウスにあって存在を知っていて、記憶を遡って、「あれよかったな」と思い出して。

RLスタッフ:あのブランケットはいろいろなチームで使っていただいていて、それを使ってケアを受けた選手の皆さんからご連絡をいただくことも多くあります。権田選手がそこまで使い続けてくださる理由はどこにあるのでしょう。

権田選手:昔ベネクスのキャッチコピーに「運動中に着てはいけないスポーツウェア」というのがありましたよね。非常に面白いと思いました。僕はオンとオフを大切にしていて、ベネクスを着ることで意識的にオフにしているという感覚があります。だから昼寝をする時もベネクスに着替えます。そのままTシャツと短パンで昼寝してもいいのですが、睡眠に入るときにはベネクスを着るというのが、自分の中でオフになるスイッチになるので。午前中、予定が何もない時には自宅でずっと着て過ごすこともあります。睡眠は大事にしていて、疲れたなと思う日はシャワーを浴びて、ベネクスを着て19時台に寝ることもあります。

RLスタッフ:真のヘビーユーザーですね、活用度がプロ級です。着ることで心理的にも、物理的にもオフのスイッチを入れていらっしゃるのですね。

権田選手:オンのスイッチを入れるためのものって、たくさんありますよね。ゲン担ぎのアクションもそうですし、これを食べたらテンションが上がるとか、この音楽を聴いたらスイッチが入るとか。でもずっと張り詰めた状態からからオンに入ろうとしても難しくて、いい状態のオンにするためには、オフが絶対的に必要です。だからこそオフの質がすごく大事だなと思っているんです。

RLスタッフ:オフの時間があるから、オンの時間が活きるのですね。

権田選手:皆さんも働き詰めだといい仕事ができないと思います。サッカー選手に限らず、忙しい人、ビジネスパーソンや特に現代の日本人にとっては、頭や体のスイッチも意識して切り、「今日は休み。今日は好きなことをやる!」というオフの時間の方が、オンよりもむしろ大事なんじゃないかなと思います。僕自身、一度オーバートレーニング症候群を経験して、オンとオフの大事さというのは改めて意識して大切に思っています。ベネクスのウェアはオフにするためのウェアなので、本当に助かっています。

RLスタッフ:私たちがリカバリーウェアを作ったのは、まさに「休養」を大切にしてほしいという願いから生まれています。受動的に休むのではなく能動的に休むことで、アクティブに活動ができ、パフォーマンスを発揮しやすくなるので「攻めの休養」と呼びみなさんに推奨しています。

権田選手:全力同意です。僕だったらサッカーのこと、みなさんだったら仕事のことが頭の中にある状態で、急に「休みなさい」って言われても、休めないと思います。「いやいやもっと仕事しなきゃ」「休んでいる場合じゃない」とか。そう言う僕も、意識してオフにしないと、トレーニングしてしまうので、週に1回は強制的に"やらない"スイッチを入れています。そういう日がないと疲労が溜まっていってしまうんですよね。だからチームのスケジュールの休みに加えて、自分から「ここは本当に休む」という勇気が必要。また、ただ休むだけじゃなくて、アイテムもそうですし、神経や脳みそも完全にオフにするっているのは大事かなと思います。

RLスタッフ:そういう考えに至られたのは、先ほどお話しいただいたオーバートレーニング症候群になったことも影響がありますか。

権田選手:当然それは大きな経験のひとつでしたが、僕自身にいろいろな過去の経験がデータで残っていくなかで、質を求めるようになった結果ですかね。

今も正直言えば、オフを作らなくても普通にプレーはできると思います。今35歳ですが、年を取ったからオフが余計に必要になったという感覚とも正直違う。若い選手と同じ練習をしても大丈夫ですし、妻も食事面で上手くサポートしてくれています。あとは僕めちゃくちゃ寝るので、そういう面からも基本的な回復はできる。

それだからいいのかと言うと、求めるのはやっぱり質で、そのためにオン・オフの切り替えがより必要という感覚ですかね。あとは、昔は練習だからやるという受け身の意識だったのが、今は「もっとこうなりたい、こんなことをしたい」というのがたくさんあるからかもしれません。朝の移動時間もぼーっとせず、クラブハウスに着いた瞬間からオンの状態に持っていきます。

RLスタッフ:どんなふうにご自身をオンに持って行っているのですか。

権田選手:今はオフをしっかりとれているからこそ、どうオンに持っていくかということをテーマにしています。練習場に行ったらそこから戦いが始まります。その時点でスイッチオンにしておくために、車の移動中、YouTubePIVOTチャンネルを見て頭を起こします。

RLスタッフ:音楽を聴く、などはよく聞きますが、権田選手はあえて全く違うことをされるんですね。

権田選手:ビジネスやテクノロジー、金融などをテーマにしているコンテンツなのですが、一回頭を使うと、クラブハウスに入った時点から頭が冴えた状態で入ることができます。このオンにするのが大事で。でもこの状態を作り出すためには睡眠をしっかりとっていないと、かえって疲れちゃうんですよね。繰り返しになりますが、だからこそオンにするための準備が必要です。前日からしっかり睡眠がとれている前提がないと質が上がらない。このサイクルが今の自分には合っています。以前は30分英語の勉強をしていたこともあって、もしかしたら半年後、1年後は違うことをやっているかもしれませんが。

RLスタッフ:かなり意識してご自身にあったサイクルを生み出されているのですね。

権田選手:もちろん常にポジティブな考えでいた方がいいですが、プレッシャーもある職業なので、ネガティブな考えになることもあります。でもそのテンションのまま前日寝不足で、ちょっと眠いというような状態は良くない。年齢的にも最年長でもあったので、自分のテンションが朝からチームにとってプラスになるようにしたいとも思っていましたね。朝、元気がなかったり、ちょっと疲れがある選手にも「どうした、元気ないじゃん」って声かけられる状態にして、着いた瞬間、みんなと合流した瞬間から臨戦態勢に入れるようにという準備は意識的にしていますね。

RLスタッフ:すべてを一気通貫で考えられているのが、やはりプロの選手ですね。私たちにはなかなか真似できません。

権田選手:僕はそれにフォーカスできる職業だからできているというのはあると思います。企業の方の立場になってみないと、僕にはわからないことも多々あると思いますし、それぞれに合う方法を見つけられたらいいのかなと思います。

Vol2.はこちら→
Think Athleteインタビュー】プロサッカー 権田修一選手Vol. 「体調を高いところで一定にキープする、権田選手の最高のリカバリー方法の根幹」

Profile

権田 修一(ごんだ しゅういち)

198933日生まれ、東京都世田谷区出身のプロサッカー選手。ポジションはゴールキーパー。元日本代表。

確実なセービングや、果敢な飛び出しが持ち味でJ1FC東京でデビューしたあと、オーストリアやポルトガルといった海外のリーグでもプレー。2012年のロンドンオリンピックでは23歳以下の代表として出場し準々決勝までの4試合を完封するなど日本のベストフォー進出に貢献。年齢制限のない日本代表としてはこれまでに33試合に出場し、2014年のブラジル大会、2022年のカタール大会と2回のワールドカップに出場。カタールで開催されたワールドカップでは好セーブを連発し、日本代表のベスト16進出に大きく貢献し、MOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選出され、守護神としてチームを牽引した。

〈代表・選抜歴〉
U-1516171819202223日本代表、日本代表

〈所属チーム歴〉
さぎぬまSC(世田谷区立弦巻小学校) - FC東京U-15深川(世田谷区立弦巻中学校) - FC東京U-18(国士館高校) - FC東京(2007) - SVホルン(2017/オーストリア期限付き移籍) - サガン鳥栖(2017) - ポルティモネンセSC2019/ポルトガル)-清水エスパルス(2021

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