目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートをすることを目指しています。
今回はThink Athleteの第19弾として、デフバスケットボール女子日本代表の丸山香織選手に取材をさせていただきました。
前回の記事はこちら→【Think Athleteインタビュー】デフバスケットボール 丸山香織選手Vol.1 「手話やサインを決めてプレーする、デフバスケの魅力」
RLスタッフ:今年は東京でデフリンピックが開催されますが、去年のアジア大会はどうでしたか?
丸山選手:前回のアジア大会では、初めて海外に行くメンバーが半分以上だったので、このチームでどれだけ挑戦できるかが課題でした。アジア予選では100点ゲームで駒を進められたのですが、決勝の対戦相手は開催国であるオーストラリアで、日本はアウェイでした。
その中でも、みんなが一生懸命コミュニケーションを取り、今まで以上に見えたものがあったので、それをそのまま今年のデフリンピックに繋げられたらいいなと思っています。
対戦国がヨーロッパやアメリカになるとレベルがさらに高くなるので、それに対してどれだけ対等に戦えるのかが今年のデフリンピック一番の課題ですね。
RLスタッフ:いろいろな記事を拝見すると、丸山選手はデフチームの中でまとめ役だったり、リーダー的な存在なのかなと感じました。
丸山選手:私自身は世界大会を3回経験しているので、自分が今まで経験したことをチームメイトに話して、コミュニケーションを取ることを意識しています。自分が引っ張っていかないと、初めて大会を経験する選手も不安な状態になってしまうので。
RLスタッフ:これまでの丸山選手の経験がチームにとっても重要ですね。ところで、デフリンピックの出場条件やルールはあるのでしょうか?
丸山選手:いくつかの条件やルールはありますが、基本的にオリンピックと同じです。デフリンピックの場合、スタート・合図の工夫がされています。また、競技中の補聴器や人工内耳を外してプレーします。普段プレーするときは補聴器を取らない場合もありますが、デフリンピックは必ず補聴器を取らないといけないルールなんです。
RLスタッフ:そうなんですね。丸山選手にとってデフバスケとはどんな存在ですか。
丸山選手:自分と同じ聴覚障害を持った人と一緒にバスケットボールができるっていうのがすごく幸せですし、同じ目標に向かって頑張るっていうのが素敵なことだと思っています。聴者の方と一緒にプレーするのももちろん幸せなことですが、障がいを持っていても、好きなことに対して同じ気持ちで取り組めることがすごく嬉しいなって。
RLスタッフ:表情から見ても、楽しんでプレーしていらっしゃることが伝わります。次に、リカバリーウェアについて聞かせていただきたいのですが、初めて着た感想はどうでしたか。
丸山選手:初めて着用した時は、「本当に着てるの?」っていう感覚でした。これで本当にリカバリーできるんだ、みたいな。
RLスタッフ:締め付けもないですし、軽くて着ていないみたいだとよく言われます。プラチナなどの鉱物が入っているオリジナルの繊維が肌に触れると心身のリラックスに働きかけるので、他のアスリートの方にも気心地がいいとか気持ちがいいとって言っていただくことが多いです。丸山選手は、ベネクスをどんな時に着ていただいていますか?
丸山選手:飛行機移動の際に使用しています。アジア大会の飛行機の中では、ベネクスを着たら爆睡しちゃって(笑)今までは飛行機移動は身体が疲れるイメージがありましたが、ちゃんと着用することによって睡眠に影響があるんだと感じました。あとは、以前練習中に足首をひねってしまった時には足首のアンクルコンフォートを着用して寝たのですが、リカバリーウェアのおかげで体が軽くなった感覚がありました。
RLスタッフ:デフのアスリートならではの疲労や怪我はありますか。
丸山選手:やはりデフは目を酷使するので、目が疲れて肩が凝ってしまい、体全体が重く感じることが多いです。ですので、デフの方には特にアイマスクはおすすめだと思います。目から伝わった疲労が体に蓄積されてしまうので、アイマスクだけではなくて、ウェアも本当に大事だなっていうのは実感しますね。毎日ハードな練習をしている方でも、これを着たらもう休むっていうスイッチの切り替えを大事にして使ってほしいなっていうのがあります。
RLスタッフ:ありがとうございます。ベネクスではアスリート人生を設計できる方をThink Athleteと呼んでいます。 ベネクスはそんな方々のリカバリー環境をサポートすることで、悔いのないアスリート生活や人生につながることを目指しています。丸山選手が思うThink Athleteとは、どんな行動をする人だと思いますか。
丸山選手:そうですね。やはり人間は食事、睡眠、休養が重要だと思いますが、その3つがちゃんと管理できてないとだめだと思っていて。運動したくても食事がちゃんと取れてないと動けないですし、睡眠の質もプレーに影響する。そこをしっかりと管理できる人が一流のアスリートなのかなっていうのは思いますし、自身でもしっかり取り組んでいきたいと思っています。
RLスタッフ:大好きなバスケを続けるために、主にその3つをしっかり意識して生活されているのですよね。最後に今後の目標や抱負を聞かせていただきたいのですが、今年デフリンピックが東京で開催されることについて、丸山選手の思いを教えてください。
丸山選手:東京でデフリンピックが開催されることは、人生で1回あるかないかという大きなことですし、今回の大会は100周年ということで、まずはそこで金メダルを獲得することが目標です。でも、デフリンピックが終わったから全部終わりというわけではなくて、今後はデフの子どもたちに何かしら伝えられたらいいなと思っています。
講演会や体験会などでいろいろお話させてもらっていますが、「デフってすごいんだよ」とか、「デフの中でもこういう人がいるんだよ」というのをもっと世間に知ってもらうために、この先も引き続き活動を続けていきたいと思っています。
■Profile:
丸山 香織(まるやま かおり)
1998年12月17日生まれ、福井県出身のデフバスケットボール女子日本代表。
2018年:U21世界選手権出場、銀メダル/個人としてベスト5受賞
2019年:世界選手権 ベスト7を受賞
2024年:アジア太平洋ろう者バスケットボール選手権大会 金メダル/個人としてベスト5受賞
〈所属・チーム歴〉
福井県立足羽高等学校
AFBB 東地域社会人リーグ (現在)
scratch(デフバスケットボールクラブチーム) (現在)