【Think Athleteインタビュー】総合格闘家・所英男選手 Vol.2「リカバリーが生むアドバンテージを、次世代に伝えていく」

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目標に向かい進み続けるために、コンディショニング作り、そしてアスリート人生を設計できる方を、Think Athleteと定義。ベネクスとしては、リカバリー環境のサポートにより、悔いのないアスリート生活、人生のサポートすることを目指しています。

今回はThink Athleteの第二弾として、格闘家の所英男選手に取材をさせていただきました。

前回の記事はこちら→【Think Athleteインタビュー】総合格闘家・所英男選手 Vol.1「リカバリーを武器に、2022大晦日の試合に望む」 | 休養・リカバリーウェアのVENEX(ベネクス) (venex-j.co.jp)

RLスタッフ:今回ベネクスでは、長距離移動の疲労に注目して、リカバリーウェアのジャージタイプの販売を開始しましたが、所選手の長距離移動への考え方をお聞かせ願えますか。

所選手:最近は近場での試合が多くてあまり長距離移動はないのですが、長距離移動をすると、筋肉が固くなるんですよね。仮に当日入りで試合をした場合、長距離移動をした選手と、長距離移動のない選手とでは、全然パフォーマンスが違うと思います。筋肉が固くなって動けなくなるんです。ですので、どうやってこの移動の負担を減らすかがポイントだと思います。

RLスタッフ:長距離移動でも筋肉の質を保つことが大きなアドバンテージになるのですね。

所選手:この移動時に何かを取り入れることで、身体を良い状態で保てるのであれば、大きなアドバンテージになると思いますよ。そういう点で、筋肉の緊張を和らげ、身体のダメージを軽減させるベネクスリカバリーウェアを移動中に着るということは、大きなメリットになると思います。是非、皆さんにも取り入れてみていただきたいですね。

RLスタッフ:リカバリーを取り入れることで、筋肉の質を保つメリットをお聞きしましたが、アスリートに付きまとう怪我の予防には、どのようにアプローチをされていますか。

所選手:ボクの年齢になると、たった1つの怪我で次が無くなってしまう可能性があります。だから、練習でもケガをしないために、止める勇気、やらない勇気、休む勇気を持つようにしています。もう「やる、やる、やる」ではダメなんです。「これ以上やったら怪我をする」と思ったら、すぐに止める。若い頃はこれがなかなかできなかったのですが、今は常に意識するようにしています。

RLスタッフ:止める勇気・やらない勇気・休む勇気で、自分を大切にするということですね。

所選手:どこで線を引くか、これは今までの経験が生きていますし、ここがキャリアというものなのかもしれませんね。あと、自分自身を可愛がって、大切にしています()。自分を大切にできるのは、自分だけです! 頑張ってくれている自分の身体に感謝して、大切にしています。そんな気持ちが大事なんだと思いますよ。

RLスタッフ:キャリアを重ねても、自分自身を大切にすることが継続を生むことに繋がっていますね。

所選手:この年齢ですから、「今からチャンピオンになります!」なんてことは言えません。ずっと続けたい気持ちはありますが、あと何試合できるかもわかりません。ですので、1試合1試合を大切にして、1試合1試合やれることをやって、そして出し切りたいと思っています。ボクは、格闘技があったから今がありますし、格闘技のお陰で、本当に良い人生を送らせていただいています。格闘技があったからこその人生です。

RLスタッフ:自分が突き詰めたことを、キャリア終盤になっても追い求めていることは、生き甲斐でもありますが大変なことです。そのモチベーションはどこから生まれるのでしょうか。

所選手:正直、ボクなんかよりも才能のある選手は、本当にたくさんいます。世に出ていないけど、ビックリするような能力を持っている選手がいます。今日もそんな若い選手と練習をして、ケチョンケチョンにされてきました()。本当に素晴らしい能力を持っていますよ。そんな人たちが世に出ていくチャンスを作ってあげたいですよね。また、ボクのジムには、たくさんの会社員や学生さんが通ってくれています。ボクが感じたように、格闘技に出会って良かったと思えるような体験をしてもらいたいと思っています。

RLスタッフ:格闘技がくれた幸せな人生を、若手の育成で格闘技に恩返しをしていくなんて、ロマンですね。

所選手:その中でも特に伝えたい経験が、リカバリーや休養についてです。早く取り組めば取り組むほど、後々にメリットが出てくると思いますし、リカバリーは貯金だと思っています。若い頃はそのことは疎かにしていまいましたが、今の若い選手には、早い時期から取り組んでもらいたいと思っています。かの有名なプロレスラーのカール・ゴッチさんが「必殺技はコンディションだ」と言ったことがあります。自分の良い身体の状態が必殺技という意味です。

RLスタッフ:「リカバリーの大切さ」次の世代へ伝えていくこと、私たちで言うThink Athleteを育成していくことで、格闘技界にも良い影響をもたらしていくことができるといいですね。

所選手:どんなに能力を高めても、その能力を発揮できる状態を作らないといけません。そんなコンディションを作るには、リカバリーなんだと思います。練習だけではダメです。いかに自分のパフォーマンスを発揮するか、そのためにも練習と同様に、積極的にリカバリーにも取り組んでもらいたいと思います。皆さんは、もっともっと強くなれると思います。

RLスタッフ:本日お話しいただいたことは、ベネクスとしても次世代のアスリート候補に伝えて、少しでも多くのThink Athleteの育成に協力させていただきたいです。

Profile

◇総合格闘家 所 英男選手

2001年プロデビュー。

風呂なしアパートに住み、アルバイト生活を送りながら格闘技を続けていたことから、 "闘うフリーター"のキャッチフレーズで『HERO'S』に出場。 王者A.F.ノゲイラから劇的な勝利を挙げ、シンデレラボーイとして一躍全国区に。 その後も、グレイシー一族を相手に、不利な下馬評を覆し、名勝負を量産。 ハイスピードな寝技とアグレッシブなファイトスタイルに定評がある。 大晦日の大会には毎年出場中。20117月『DREAMジャバングランプリ』優勝、初代バンタム級王者に輝いた。現在は、日本最大のビッグイベント「RIZIN」、アメリカのトップ団体「ベラトール」、 桜庭和志さんの寝技大会「QUINTET」にて国内・海外でも活躍しながら、フィットネス/格闘技ジム「所プラス」を経営。

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