前回は、べネクス商品部の生地担当である井口 恵理子さんに冷え対策での3首ケアの重要性を教えていただきました。今回は、より踏み込んでインナーやオフィスに着ていく衣服などの選び方を教えていただきました。
RLスタッフ:冬の寒さ対策で思い描くのは、インナーの選び方なのですが、そのあたりもアドバイスをいただけますか。
井口さん:多くの皆さんが使用したことのある、人気の「吸湿発熱系」のインナーについてですが、薄くて暖かい、と高機能ですよね。私も寒くなる11月下旬くらいから毎年着ています。セーターに直接肌が触れなくなるので、セーターが汚れにくいのも着用するメリットを感じます。 ただちょっと暑くなってきたときに、熱が逃がせなくて汗をかいてしまうんです。また、湿気を吸って発熱するので湿気がないと温かくならない、つまり汗をかきにくい方は、温まりにくいんです。
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吸湿発熱繊維(きゅうしつはつねつせんい)とは、汗などの水分を吸収して発熱する繊維。
スポーツウェアや肌着、膝サポーター、腹巻、キルティングの中綿などにも用いられる。吸湿発熱素材、吸湿発熱ウェアと呼ばれることもある。
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RLスタッフ:吸湿発熱系のインナーを着るうえで注意点があるのですね。
井口さん:吸湿発熱系のインナーを着ていて、屋外は快適に着ていても、屋内に入ると暖房が効いているため暑くて汗をかいてしまうのが、冬のあるあるかと思います。屋内に入り汗をかくとインナーが汗を吸って濡れてしまいますよね。濡れた状態のインナーを着続けると、体温を奪われてしまいます。なので、普段から汗をかきやすい方は、気を付けた方が良いと思いますので、寒かったら上に羽織る物で調節した方が、汗をかかずに過ごせて、急激な体感温度の変化も起こらないかと思います。
RLスタッフ:自分の体質に合わせて冬のインナーは考えるのが理想ですね。
井口さん:そうですね・・・、衣服、とくにインナーをそこまで考えて着るのは難しいと思いますが、出来れば体質に合わせて、インナーで冷え対策をするのか、調節しやすい上着で冷え対策をするのかを工夫して欲しいですね。べネクスとしても、お客様の体質に合わせてカウンセリングが出来ると理想ですね。
RLスタッフ:ちょっと話はそれるのですが、オフィスにジャケットを着ていく方などは、どのような衣服を選択するとリカバリーな選び方になるのでしょうか。
井口さん:ジャケットを着る方でも、伸縮性のあるものを選ぶと窮屈感が軽減されて動きやすくなるので、ストレスになりにくいと思います。
RLスタッフ:色々なスーツメーカーさんも、一時期そういうCMなどが多かった印象ですね。それは素材の選び方が重要なのですか。
井口さん:繊維の特性にもよりますが、生地の作り方も大きいと思います。織物*であれば、「ポリウレタン」混の生地は一般的な織物よりも伸縮性があり動きやすいです。ただ丸編み*の生地の方が伸縮性はあります。丸編みの生地だと織物のようなハリ感が出にくいものが多いのですが、最近では織物*見えの丸編み生地も出てきていますね。私も「え!?この生地丸編みなんだ!」と驚くこともありますので、見た目で判断せずに お店のスタッフさんへ相談したり、試着前に生地の伸縮性を確認し、試着したら肩を回したり腕を動かしたりして伸縮性があるか確認してもらえたらと思います。
またサイズが身体にフィットしていないと衣服の重量が肩に集中してかかるため、サイズが丁度良いものを選ぶと身体と衣服の接着面が多く負荷が分散され、体に馴染み動きやすくなるので、疲れないと思います。
※織 物...タテ糸とヨコ糸を直角に上下に交錯させて織った布地。
※丸編み...糸がループを連ねながら螺旋状に編まれたもの。
RLスタッフ:なるほど、サイズ感も疲れに影響するのですね。発見です。
井口さん:今はセミオーダーで作るスーツもお手頃の値段のものが増えているので、そういったサービスを利用して、自身の体系にフィットするものを選ぶことも、選択肢の1つではないでしょうか。フィットした衣服は、背筋が伸び、シワやヨレも出にくいので印象も良くなると思いますよ。
RLスタッフ:休養時専用のリカバリーウェアですが、仕事環境での活用の仕方などありますか。
井口さん:オフィスであれば、周囲の目もありますのでウェアよりもシーズン問わず手軽に使えるリカバリークロス+がおすすめです。椅子の背もたれに掛けておいてパソコン仕事で肩凝りが気になったときや、寒さを感じたりエアコンの風が気になるときに使うのもいいかと思います。
リモートワークであればWEBで打ち合わせがあれば上半身はカメラに写りますよね。トップスはオフィスカジュアルなものでも、ボトムはリラックスしたい場合は、コンフォートタッチのグレーや、メンズならネイビーがおすすめです。万が一Web会議で映り込んでしまってもルーズに見えないと思います。中々切り替えが難しい環境のリモートワークですが、 リカバリーウェアだから仕事のときに着てはいけない、と決めずに少し疲れてきたら今から2時間は頭をあまり使わない作業ベースの仕事にする、みたいなイメージで時間を決めてリカバリーウェアを着ることもおすすめしたいですね。